法律情報

【民事裁判例】①婚姻費用分担の義務者が、権利者の居住する自宅で寝起きするようになったことをもって、婚姻費用分担の審判の「当事者の別居状態の解消」に当たるとされた事例②婚姻費用分担の審判に基づく支払義務を免れるために自宅に戻ったことをもって、故意による条件成就として、民法130条の類推適用が認められた事例(名古屋家裁岡崎支部平成23年10月27日判決)

スタッフ(2014年9月 8日 13:27

<事案>

別居中の夫婦間において、夫(X)から妻(Y)へ月13万円の婚姻費用を支払う旨の審判が確定した後、XがYの居住する住居へ戻ったことを理由として審判の執行力の排除を求めた請求異議の事案である。

<判決>

裁判所は、①Xが自宅へ戻ったことを、婚姻費用支払義務の解除条件たる「別居状態の解消」にあたるとしながらも、②Xは、自宅へ戻ることにより解除条件を充足することの認識があったことから、婚姻費用の支払いを免れるために故意に自宅へ戻ったものと判断し、民法130条を類推適用してXの請求を棄却した。

<コメント>

法律上の夫婦が別居状態にある場合、一般に、夫から妻に対して、婚姻費用(生活費)を支払う義務が発生します。夫がこの義務を果たさない場合、妻から裁判所に婚姻費用分担の調停・審判の申立てをすることができます。

この調停・審判によって一定額の婚姻費用が決まった場合(具体的金額については、両者の収入と子供の数から、算定表という資料に基づき決まることがほとんどです。)、夫はその婚姻費用の支払い義務を負い(一般的に、婚姻費用の支払い義務は、「離婚または別居状態の解消まで」とされることが多い)、それを怠れば、強制執行されることも覚悟しなければなりません。

本件は、夫が婚姻費用の支払いが困難になったことを理由に、婚姻費用の支払いを免れるため、意図的に同居を解消した事案ですが、かかる場合でも「別居状態の解消」として、婚姻費用の分担義務がなくなるかが問題になりました。

裁判所としては、「別居状態の解消」にあたることは認めつつも、婚姻費用の支払いが困難となった場合には婚姻費用減額の調停や審判を申し立てることが可能であること等を理由として、Xの請求を棄却しています。本件のように、作為的に別居状態が解消された場合には、民法130条の類推適用により、婚姻費用の支払いを免れることはできないとしたわけです。

 

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